「おたふくかぜワクチン」が昨年からずっと不足していますが、この春にはようやく、供給が改善しそうです。
実はこの1年間のおたふくかぜワクチンの流通状況は、そう単純な経緯ではありませんでした。
おたふくかぜワクチンを製造しているのは、第一三共と武田薬品の2社です。
第一三共のワクチンが規格を満たしていない(=効かない)ことが判明したのが、昨年2月のことでした。
同月から限定出荷、3月から出荷停止となったことは、前にも書いた通りです。
一方の出荷が止まれば、他方に負担が集中するため、安定供給のために武田の方も出荷制限が始まりました。
これはちょうど、アサヒビールの出荷が止まったのでキリンまで供給できなくなった状況と似ています。
そんな折も折、こんどは武田のワクチンで「外来性ウイルス」の混入が疑われるという問題が勃発しました。
昨年8月から出荷停止となり、第一三共と併せて、国内のおたふくかぜワクチンの流通が完全に止まりました。
幸い、9月から第一三共が出荷を再開しましたが、もちろん需給バランスを考慮した限定出荷が続きます。
一方で武田の方は復活の目処が立たず、日本中のおたふくかぜワクチンが不足したまま、年が明けました。
先週ようやく武田から、来月から出荷を再開すると発表がありました。これでやっと「2社体制」に戻ります。
当院では、1歳になったお子さんへの、おたふくかぜワクチンの任意接種を、ずっと推奨してきました。
おたふくかぜによる難聴を防ぐためにも、是非接種しましょうと、多くの方に勧めてきました。
それだけ勧めてきたくせに、昨年はずっと接種をお断りする状況だったことを、あらためてお詫びいたします。
武田の流通が再開するとしても、春頃までは限定出荷になりそうです。最初は品薄かもしれませんね。
お待たせしている方には申し訳ありませんが、優先度の高い順に、まずは1歳のお子さんから接種を始めます。
2回目の接種をお待ちの方には、もうしばらく、夏頃までお待ちください。
(写真は、第一三共と武田薬品のおたふくかぜワクチンのバイアル)

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