知人に勧められて、映画『でっちあげ』を観ました。もう観た方も多いでしょうか。(以下ネタバレあり)
先日観た『俺ではない炎上』よりも重苦しく、疑いが晴れても晴れ晴れしない、観てて辛い冤罪映画でした。
一般に冤罪モノは、最後にスッキリ爽やかに終わってほしいのに、そうならないパターンが多いですね。
その冤罪を生んだ人間関係や社会問題に切り込めば、おのずと問題は単純ではなくなります。
とくに医療事故に伴う冤罪は、それが患者(被害者)v.s.医師(加害者)という構造だと、誰も救われません。
医師の冤罪が晴れても、患者が生き返ったり病気が治るわけではないからです。
そういったことを考えながら、近年の4つの冤罪事件の「映画化」を考えてみました。
(1)杏林大病院割りばし死事件(1999年)
子どもが転んでノドから脳まで突き刺さった割り箸に、救急病院では気付けず、子どもが死亡した事例です。
検察やメディアにも問題があり、救急医療を萎縮させた事件ともいわれるほど、社会的に重大な出来事でした。
被害者が4歳の子どもであり、医師が勝訴しても晴れ晴れしません。衝撃的で、辛い映画になるでしょうね。
(2)東京女子医大人工心肺事件(2001年)
心臓手術を受けた12歳の子が手術ミスによって死亡した上に、組織ぐるみの証拠隠滅や改ざんが行われました。
原因は執刀医の手術ミスでしたが、人工心肺装置の操作ミスにすり替えられ、若い担当医師が逮捕されました。
医師に罪をなすりつけた大学組織 v.s.一人の医師。内容が高度で組織的で闇があり、深い映画になりそうです。
(3)福島県立大野病院事件(2004年)
帝王切開で新生児を娩出後、癒着胎盤を剥離中に多量出血して妊婦が死亡し、執刀医が罪に問われた事例です。
担当医の逮捕は医療界からの反発が大きく、事件後には産科医減少や萎縮医療も懸念された、重大案件でした。
内容が専門的で手術場面の映像化も難しそうですが、社会問題を提起する上では、ぜひ映画化してもらいたい。
(4)乳腺外科事件(2016年)
患者の「性的幻覚」によって、医師が準強制わいせつ容疑で逮捕された事例。証拠採取にも問題がありました。
術後の「せん妄」が原因でしたが、幻覚を映像化して視聴者を騙すことができ、とても「映画向け」ですね。
前述3事件とは異なり、誰も死亡してない点が救われます。検察の横暴も描き、最高裁での逆転劇が痛快です。
(写真は、映画『でっちあげ』の予告編の一場面)

コメント