Netflixオススメの、しかしちょっと賛否両論の映画『ハウス・オブ・ダイナマイト』を観てみました。
ネタバレしても、映画の面白さは変わらないかもしれませんが、いちおう「ネタバレ注意」ということで。
北朝鮮付近から正体不詳のICBMが発射され、どうやら実験ではなく米国本土に着弾しそう、という設定です。
その後の20分ぐらいの出来事を、視点を変えて3回描くという、ややくどい構成がこの映画のキモでしょう。
しかも緊迫感が極致に達した後の、ミサイル着弾後の世界は描かないという、ある意味で実験的な結末でした。
このような「あとは考えてください」的なエンディングでは、一般的には鑑賞後にモヤモヤが残りがちです。
訪れるはずのカタルシスが得られず、それを創造力で補うにしても、どうせなら盛り上がって終わりたいもの。
しかし本作品は、どう転んでもハッピーエンドは望めず、カタルシスを得られるような物語ではありません。
描きたいのは、核攻撃を受けつつある米国政府の緊急対応や意思決定過程、政府首脳や軍の苦悩なわけです。
「核抑止力」など絵に描いた餅ですね。核戦争を自ら企てようとする国に、抑止力など関係ないのです。
一方で米国などの国には、たとえ攻撃されても、全面核戦争は避けたいという意図が働くでしょう。
結局、核抑止力は良識ある国を縛っているだけなのかもしれません。正直者が馬鹿を見る、みたいな。
その観点からは、ICBM着弾後の政府の対応(あるいは苦悩)も見物ですね。映画の続編に期待します。
(写真は、Netflixより)

コメント