三重県の病院で、輸血患者の取り違えが起きました。血液型が同じだったのが幸いでしたが、重大事案です。
どの医療機関でも、昔に比べれば「本人確認」は徹底していますが、それでも患者の取り違えは起こり得ます。
例えば輸血は、医師が指示し、専門部署で準備し、運び、実施する、そのすべての段階にリスクがあります。
何でも同じですが、作業の段階や介在する人数が多ければ多いほど、人的ミスが起きる可能性は高まります。
今回の事例はしかし、血液検査の患者を取り違えた結果、誤って貧血だと判断してしまった上での輸血でした。
誤ったデータに基づいて、しかし輸血指示から実施までは正しく取り違え無く行われたことは、実に皮肉です。
輸血に比べると血液検査は日常的な診療業務であり、患者を取り違えてもただちに健康被害は起きません。
しかし、誤った検査データを元に診療が行われれば、今回のように重大で気付きにくい結果を招きかねません。
とはいえ、輸血は慎重に行うべきでした。検査結果に対して主治医は疑問を感じなかったのでしょうか。
輸血が必要なほどに貧血が進行したとすれば、輸血と前後して貧血の原因検索も進めそうなものだからです。
それとも、この病棟では超高齢者への輸血は珍しくなかったのでしょうか。私には状況がよく飲み込めません。
血液検体の取り違えは、病院のみならず当院のような診療所でも起こり得ることです。
その意味で今回の事例は、「輸血患者の取り違え」と言うだけでは済まされない、広範な問題を孕んでいます。
(写真は、日赤の輸血用赤血球液の見本)

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