NHKの『あしたが変わるトリセツショー』の昨日の放送は「亜鉛のトリセツ」。
亜鉛は全身の細胞の新陳代謝に関わっているので、不足すると全身に不調を引き起こす、という話でした。
そこで、亜鉛を多く含む食材を摂るようにしたら、肌荒れや口内炎や疲労感が治ったと、そういう展開です。
実際に私も、生活習慣病の高齢者を中心に、定期的に亜鉛の血中濃度をチェックするようにしています。
すると3人に1人ぐらいは基準値を下回ります。程度がひどく何らかの症状があれば、薬を出すこともあります。
以前は、「プロマックD」を処方していました。「胃を守る(Protect Stomach)」から命名された胃薬です。
亜鉛を含有する胃薬なので、低亜鉛血症へ「流用」していたわけです。
最近までの処方薬は「ノベルジン」。別の疾患用の薬でしたが、低亜鉛血症へと適用が拡大されました。
「ノーベルファーマ」が製造した「ジンク(亜鉛)」製剤という命名です。
亜鉛(Zn)の発音は[zíŋk]なので、カタカタで書けば「ジンク」なのです。
ところが、番組では亜鉛のことをやたらと「ズン」と言うものだから、私はそのたびに飯尾を思い出しました。
ノーベルファーマは、アルフレッド・ノーベルが設立した化学会社が源流の、日本の製薬会社です。
「必要なのに顧みられない医薬品の提供を通して、医療に貢献する」のが会社使命だそうです。
市場規模が小さく収益が見込めない薬を、敢えて開発して提供しようというのです。すばらしい。
昨年、新たな亜鉛欠乏症治療薬「ジンタス」が発売されました。「ジンク+足す」で「ジンタス」ですか。
その小林製薬みたいにベタな命名のおかげで、ジンタスはすぐ覚えてしまいました。
この薬はノベルジンに比べて胃腸への副作用が少ないので、私も最近はジンタスに乗り換えています。
(写真は、『あしたが変わるトリセツショー』のPR画面)

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