「サブクレードK」という言葉が、世間を騒がせていますね。いま流行中のインフルエンザの話です。
この状況がもう少し早ければ、流行語大賞にノミネートされていたことは間違いないでしょう。
コロナ禍で世界中が学習したように、ウイルスは表面のタンパク質がどんどん変異して「変異株」となります。
インフルエンザウイルスの株は、型→亜型→クレード→サブクレードという系統分岐で表現されます。
そのうち、従来の「サブクレードJ」から分岐し、いま流行している新しい変異株が「サブクレードK」です。
変異は日常的なことなのに、インフルエンザ報道が「サブクレードK」一色になっているのはなぜでしょう。
「オミクロン」以来、メディアはキャッチーなカタカナ言葉に飢えていたのかもしれません。
そこへ現れた「サブクレードK」が格好の餌食となり、大げさに報じられているのでしょう。
メディア露出の多い一部の医師たちによる危機感をもったコメントが、繰り返し取り上げられています。
比較的大幅に変異したサブクレードのため、その「抗原性」の変化が大きいことは確かです。
過去の感染やワクチンで得られた免疫では、十分な感染防御ができない可能性もあります。
しかし、新種の凶悪ウイルスが出現したかのような「サブクレードK」報道は、明らかにミスリードです。
ワクチンの予防効果はそれなりにあると考えられていて、重症化リスクを抑える効果もあります。
サブクレードKはワクチンが効かない、という情報に惑わされて接種を躊躇することのないようにしましょう。
(写真は、サブクレードKを報じる番組より)

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