「結核・呼吸器感染症予防週間」



日曜日の話題はたいていドラマかコロナですが、日曜劇場がまだ始まらないので、今日はコロナで行きます。

第38週(9/15~21)の定点あたり報告数は、熊本県9.00、熊本市7.83と、いずれも4週連続で減っています。
当院の陽性診断数は、その4週間で20→25→19→15人と推移し、最新の第39週(9/22~28)は15人でした。

実感として、コロナはひと頃よりは減っていますが激減はしていない、下げ止まっているような印象です。
そうした中で先日も書いたように、そろそろインフルエンザが流行期に入るので、面倒な時期になりそうです。

毎年9月24日~30日は「結核・呼吸器感染症予防週間」だとか。今日まで知りませんでした。
2年前までの「結核予防週間」が、呼吸器感染症全般に対象を広げて、昨年から名称が変わったようです。
コロナ禍を経験して意識が高まった呼吸器感染症対策が、結核対策と重なることがあるのかもしれません。

ただし結核は、コロナやインフルエンザとは病状が全く異なり、ある日急に発症する病気ではありません。
定期健診やBCG接種など、昔から結核を意識した特別な仕組みがいまもあります。

BCGの効果は7~8年しか続きませんが、乳幼児の重症結核を予防する目的で、いまも接種が行われています。
ただしそのBCGのせいで、ツベルクリン反応(ツ反)によって結核感染を診断することが難しくなっています。

一方で米国ではBCGを行わず、ツ反によって容易に結核を早期発見でき、早期治療を行う考え方です。
そのため日本でBCG接種した子どもは米国の学校検診でしばしば陽性となり、治療対象となってしまいます。

他の欧米先進国の多くでも、すでにBCGは実施されていませんが、日本よりも結核患者は少ないのです。
日本でもBCGは廃止に向かうだろうという話は何年も前から聞きますが、いまだにその動きはなさそうです。
当院では毎週2,3人にBCGを接種していますが、それが医学的に合理的なのか、若干の疑問を感じながらです。

(写真は、「結核・呼吸器感染症予防週間」の啓発ポスター)

©結核予防会

この記事を書いた人

医療法人ひまわり会 つるはらクリニック 院長

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