リンゴ病が警報レベル

リンゴ病の記録的な大流行が続いています。まだ感染者は増えています。
以前、リンゴ病の流行について書いたのは約10年前でしたが、その年よりも今の方が多いようです。

リンゴ病はウイルスによる感染症で、10~20日の潜伏期間の後に風邪の症状が出現、その後に発疹が出ます。
頬はたしかにリンゴのように赤くなりますが、通常は鼻や額は赤くならず、そこが日焼けとは異なります。
それから四肢に広がりますが、網目状だったりベタッとしていたり、まだらで分かりにくいこともあります。

発疹が出た時点でほぼ感染力が無く、他人への感染力があるのは発疹が出る前の風邪症状の時です。
潜伏期間も長いし、風邪症状の段階ではリンゴ病とはわからないので、感染の予防がしにくい病気ですね。
せいぜい、「咳エチケット」を心がけましょう、というぐらいの予防法しかないのです。

リンゴ病は、妊娠中に感染すると胎児に重篤な影響が出ることが知られています。
1度罹ると終生免疫が付くので、2度罹ることはありません。過去に罹患歴のある妊婦さんなら大丈夫です。
罹患歴が不明の妊婦さんにだけはうつさないために、いま風邪の人は妊婦さんには近づかないことです。

他の感染症と同様、コロナ禍の間には感染対策が徹底していたおかげで、リンゴ病の流行が起きませんでした。
その間に免疫を持たないお子さんが増え、しかもコロナ対策が緩んだいま、大流行しているのでしょう。

(写真は、厚労省のサイトから)

この記事を書いた人

医療法人ひまわり会 つるはらクリニック 院長

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