安倍首相は昨日、「自民党は政権与党として責任感を持って憲法議論を深めていく」と述べました。
「責任を持って」と言うべきところで「責任感を持って」と発言することが多いですね、政治家の人たちは。
「責任を持って」には義務が生じますが、「責任感を持って」だと、あくまで努力目標のように聞こえます。
いったいいつから、「責任感を持って」なんていう曖昧な表現が、まかり通るようになったんでしょうね。
直接的な表現を使わず、ぼかした表現で言質を取られまいとする態度を感じるので、とてもイヤな言葉です。
同種の表現として、「スピーディーに」と言わずに「スピード感を持って」という言葉も耳にします。
「加速する」のかわりに「加速化する」と言うのにも似たような、間接的なニュアンスを感じます。
今日の安倍首相は、衆院予算委員会の閉会中審査で、「私の答弁姿勢への批判もあるだろう」と述べました。
加計問題については、「李下に冠を正さず」という言葉を使って、反省してみせました。
しかし反省するならば、獣医学部新設は潔く白紙撤回して、ついでに稲田防衛相もスパッと更迭しなきゃ。
国家戦略特区なんて、よく言われるように利権の巣窟です。
だからこそ、首相と関係のある人間にはいっさい関与させないぐらいの、慎重さと頑固さがほしかった。
首相はかつて野党に対し「私と付き合いがあったら特区に指定されないのか。おかしな話だ」と言いました。
でも、おかしくないのです。それが「李下に冠を正さず」なんですよ。わかっとるんかな。
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