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諫臣か奸臣か

今朝の日経の「春秋」は、「首相の周囲にはわずかな諌言さえする人はいない」と厳しく指摘していました。
主君の過ちを指摘・忠告する「諌言」のできる部下を「諫臣」といい、歴史小説にはよく出てきますね。
しかし現代社会ではどうなんでしょう。とくに官僚組織においては、あり得ないことかもしれません。
コラムの最後は「君主は諫臣がなければ正を失う」という、小説からの引用で結ばれていました。
ところが面白いことに、その文の隣には、「組織の不正を未然に防止!」と書かれています。
さらに隣には、「内部通報制度の導入・整備で自浄作用を向上!」と続くものだから驚きます。
まるで、上司の不正を内部告発する部下こそ諫臣である、と言わんばかりの構成になっています。
タネを明かせば、春秋の隣にたまたま政府広報が並んでいたのですが、なんとも絶妙なつながり具合なのです。
紙面のその位置に、消費者庁の「内部通報制度」の広告が入ると知って、狙って書いたコラムかもしれません。
加計問題で大胆な証言をした某前次官などは、発言が真実なら、さしずめ諫臣ということになるのでしょうか。
同じ「かんしん」という読みでも、「奸臣」の方は感心しません。これも中国歴史モノなどに出てきます。
「姦臣」とも書きますが、悪だくみをする家臣のことですね。
もしも、誇張した発言で官邸を攻撃しようとしているのであれば、前次官は「奸臣」ということになります。

この記事を書いた人

医療法人ひまわり会 つるはらクリニック 院長

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