開院して14年目ですが、コロナ禍のせいでたぶん、もっとも先の読めない冬を迎えようとしています。
新型コロナとインフルエンザが同時流行する可能性があり、それに対応するための準備に追われています。
国が新たに繰り出す施策はなかなか複雑で、自治体も医療機関もバタバタしています。
そんな中、インフルエンザワクチンの接種者数は、当院でも確実に過去最多になりそうな勢いです。
ワクチンの製造数を少し増やしたぐらいではまったく追いつかず、医療現場はワクチン不足で困っています。
厚労省はあれだけ接種の必要性を煽っておきながら、供給計画はまったくおそまつ。これは大失態レベルです。
さいわい、インフルエンザの流行は、近年では最小規模になりそうですね。
コロナ対策がインフル対策にもなっていることに加えて、「ウイルス干渉」の可能性も考えられています。
ウイルス干渉とは、ひとつのウイルスに感染すると免疫が強まり、別のウイルスに感染しにくくなる現象です。
私はしかし、日本ではコロナとインフルとでは感染者数が桁違いなので、ウイルス干渉については懐疑的です。
コロナが少々流行したところで、毎年1千万人以上が罹患するインフルエンザが抑えられるものなのか。
しかし逆に、もしもインフルエンザが大流行すれば、コロナが抑え込まれる可能性はあるかもしれません。
もちろんインフル大流行は避けたい。死亡率は低くても、1千万人単位の感染は多くの死者数をもたらします。
こう言っちゃナンですが、コロナよりもインフルの方が、乳幼児にとっては大きな脅威ですからね。
今年南半球では、原因は何であれ、奇跡的とも言えるほどインフルエンザは流行しませんでした。
インフルの「超過死亡」は毎年約1万人。これが激減するのであれば、結果的には福音となるかもしれません。
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