はしか対策はワクチン接種あるのみ

麻疹(はしか)が流行しています。今年は4/22現在で報告数は362人。年間1,000人にも迫りそうな勢いです。

とは言え、ほんの20年前までは、日本には麻疹が蔓延し、諸外国から「麻疹輸出国」と揶揄されていました。
当院開院の翌年、2008年の報告数はなんと11,005人。同時期の米国では、感染者数は数十人程度でした。

その年からやっと、日本は積極的に予防接種に取り組み始めたのでした。
すると翌2009年の報告数は741人と激減。2015年には「麻疹排除国」の仲間入りを果たすことができました。

いま麻疹に感染しているのは、ワクチンを未接種または1回しか接種していない方ばかりではありません。
規定通り2回の定期接種を受けた人の「ブレイクスルー麻疹」も、かなり出ているようです。
ワクチンを接種しても、十分な免疫が付かない場合や、年数を経て免疫が弱まっていく場合もあります。
しかしそのような方でも、周囲に免疫が十分な人が多ければ、自分の感染の機会は減ります。

このような集団免疫を保つためには、麻疹の場合、免疫が十分な人が95%以上必要であるとされています。
なので少なくとも、ワクチンの2回接種完了者が、95%以上(たぶんそれ以上)は必要だということです。

ところが2024年度の接種率は、第1期が92.7%、第2期は91.0%でした。過去5年間で最低の接種率です。
コロナ禍における受診抑制や、コロナワクチン登場に伴う「反ワク」論調も影響したのかもしれません。
しかし2019年の接種率は、第1期95.4%、第2期94.1%なので、コロナ禍以前でもギリギリだったのです。

都道府県別では、熊本県の2024年度の接種率は、第1期88.3%、第2期91.1%と、第1期は全国ワースト3位。
特別な理由があるのか、単に県民の意識が低いのか。ともかく、できる限りの啓発活動をするしかありません。

(図は、麻疹累積報告数の推移(一部改変))

©国立健康危機管理研究機構

この記事を書いた人

医療法人ひまわり会 つるはらクリニック 院長

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