インフルエンザワクチンは、当院では今シーズン今日までに、585人に692回の接種を行いました。
報道番組では、今年は経鼻投与型(鼻腔内に噴霧する)の「フルミスト」の接種シーンが目立ちますね。
従来の不活化ワクチンの皮下接種と比較して、フルミストのメリットは、
・生ワクチンなので、自然感染に類似した、局所(鼻咽頭部)と全身の免疫誘導が期待できる
・針を刺さないので接種時に痛くないし、局所反応(痛みや腫れ)もない
・小児ではとくに予防効果が高く、1回で済み、持続も長いという報告がある
一方でデメリットとされているのは、
・2~18歳しか使えない
・心疾患などの基礎疾患や喘息があると使えない
・接種後2週間以内にインフルエンザと同様の症状が出ることがある
・料金が高い(不活化ワクチン2回分よりも少し高い)
当院では当初、不活化ワクチンとフルミストの両方をを準備して、選択できるようにしておくつもりでした。
しかし、製品が10人分1パックで端数の返品ができず、しかも使用期限が短いことが懸念材料となりました。
もしも接種人数が10の倍数よりも大幅に下回った場合、残薬を多量廃棄することになるからです。
そのほか、副反応の問題もありますが、それについては別の機会に書くことにします。
とりあえず、日本での接種経験がある程度蓄積するまで、あと1年(?)経過を見ることにしました。
来シーズンは、たぶん導入するでしょうね。できれば、1人分ずつの個包装になってくれることを願います。
(写真は、今日のインフルエンザワクチン接種準備万端のデスク)

コメント