「4混」代わりに「5混」接種OKへ

販売が中止された「4種混合ワクチン(4混)」の代わりに、「5混」を接種することが可能になりました。
それを認める通知が厚労省から7月25日に発出されたことを受けて、熊本市もようやく動きました。

「ヒブワクチン」の接種が4回完了し、「4混」は3回しか接種できてないお子さんが、これで救済されます。
「5混」=「4混」+「ヒブ」です。「ヒブ」の回数が過剰(5回目)になっても、接種はOKとなったのです。

自治体によっては、子どもの百日咳予防を優先するため、独自判断でだいぶ前から「5混」OKとしていました。
しかし残念ながら熊本市は、国からの正式な通知が来るのを待っていました。慎重なのです、良く言えば。

熊本市に限らず、各自治体や国が懸念するのは、「ヒブ」の想定外の過剰接種による健康被害です。
本来であれば、お役所が認めるはずがない医薬品の使用法ですが、今回は特例で認められたわけです。

ワクチンの成分は段階的に混合されていて、多価の混合ワクチンに向かっています。
その過渡期において、各ワクチン成分の接種回数に不一致が起きることは、当初から想定できたことです。
その辻褄を合わせるためには、混合前の個別のワクチンが必要なのですが、いま「3混」が足りません。
「4混」を早々と製造中止してしまった上に「3混」も入手困難。「5混」だけあるという状況なのです。

家電や自動車に例えるなら、完成品はあるけど交換用の部品は無い、みたいな状態でしょうか。
混合ワクチンに集約していくのは良いのですが、「部品」の在庫期間をもうちょっと長く見積もってほしい。

この記事を書いた人

医療法人ひまわり会 つるはらクリニック 院長

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