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解散中継

衆議院解散の国会中継を見ていて思ったのですが、いったいどの時点が「解散の瞬間」だったのでしょうね。
まず、衆院本会議までの、昨日の出来事から。
・朝8時15分から定例閣議が開かれ、首相と全閣僚が閣議書に署名し、衆院解散を閣議決定。
・河内隆内閣総務官が皇居で、解散詔書に天皇陛下の署名と御璽の押捺をもらい受けた(と思われる)。
・解散詔書に野田首相が副署し保管。以後登場する解散詔書は原本の「写し」らしいです。
以下は私自身が、NHKの生中継で見た光景と考察です。
・午後3時35分過ぎ、周囲を護衛された河内内閣総務官が、国会内の廊下をしずしずと歩いて来ます。
 その手には、解散詔書を包んだ「紫のふくさ」を乗せた黒いお盆が持たれています。
 河内氏のネクタイも紫色。当然のコーディネートでしょう。
・河内氏が衆院議長応接室に到着。黒いお盆は持ったまま、イスに座って待ちます。
 この間に、本会議場には議員らが続々と入場し、互いに会話を交わしたりしながら着席。
・3時48分、横路孝弘衆院議長が入場・着席。一部議員から拍手あり。「会議を開きます」と宣言。
・3時49分、議長応接室において、河内氏が藤村修官房長官に詔書を手渡しました。
・藤村氏はすぐに本会議場に入場、鬼塚誠衆院事務総長に詔書を手渡しました。
 これこそ、詔書が内閣から国会へ渡った瞬間です。
・鬼塚氏、ふくさから詔書を取り出し、開き、やや無造作にグイグイ折り目を付けます。
 詔書に「御名御璽」の文字が見えましたが、御璽の印影は見当たりません。やはり「写し」でした。
・鬼塚氏、別の文書を添えて、横路孝弘衆院議長の前に詔書(の写し)置きます。
・横路議長は立ち上がり、解散詔書の内容を朗読する、とことわった上でその内容を読み上げました。
 「日本国憲法第7条により、衆議院を解散する」
 この瞬間、テレビからチャイム音が聞こえ、画面上部に衆院解散を知らせる速報テロップの表示あり。
 生中継で解散の一部始終を伝えているのに、このテロップ要りますか?
・議員の多くが一斉に「バンザイ」を三唱。その後ひとしきり拍手。
・議員は本会議場から退場。横路氏からの閉会発言なし。すでに議長ではないからでしょう。
さて「解散の瞬間」はどこでしょう。
実質的には「閣議決定」、憲法上は「御名御璽」、手続き上は「議長朗読」ってとこでしょうか。

この記事を書いた人

医療法人ひまわり会 つるはらクリニック 院長

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