司法試験の漏洩事件が話題ですが、国家試験の漏洩といえば、かつては医師国家試験の独擅場でした。
医師国家試験は、出題範囲が広大で設問数が500問と多く、すべて選択肢問題(マークシート解答)です。
ある分野の出題委員が問題を漏洩したとしても、それが合否に直結するとは、とても思えません。
ところが司法試験は、平成24年度のもので、短答式(選択肢問題)が154問、論文式が8問(憲法が1問)。
この論文式というのがまた、シロウトの私には、最後まで読む気も失せるほど、設問自体がやたらに長い。
漏洩した教授は教え子に、自分の専門領域の憲法の出題内容のほか、短答式問題も教えた疑いがあるそうです。
とくに論文式は1問の比重が大きく、憲法の出題内容だけを知り得たとしても、圧倒的に有利になります。
教授から情報をもらった教え子は、A4で8ページ分の回答用紙を、模範解答と酷似した答案で埋めたとか。
その答案が完璧すぎて、情報漏洩が疑われてしまったというのは、まことに皮肉なことです。
つまり司法試験の考査委員は、受験者が完璧な答案を書けるはずがないと考えているわけです。
今後不正をされる方におかれてましては、完璧な答案を書くとバレるので、注意しなければなりません。
不正をしない優秀な受験者の皆様であっても、完璧な答案では怪しまれますので、少々手抜きが必要です。
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