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予防薬と治療薬

インフルエンザの流行がそこそこ早いので、ワクチンの接種とインフルエンザの治療とが入り交じる日々です。
2009年に新型インフルエンザ(いわゆる「ブタインフルエンザ」)が流行した時が、まさにそうでした。
あの時は、厚労省の接種計画(机上の空論)がすべて後手後手に回るという、絵に描いたような大失策でした。
その当時と比べると今は、インフルエンザワクチンの接種率は、かなり低下しているように思えます。
HPVワクチン(子宮頸がん予防ワクチン)問題以降、インフルエンザワクチンにも懸念が広がっているのです。
(1)有効性が疑問
(2)副作用が心配
毎年必ず早めに接種する方も多いですが、最近はワクチン代が上がったこともあり、接種者は減っています。
インフルエンザワクチンの有効性には、他のワクチンとは異なる問題はありますが、接種は有意義です。
チメロサール(保存剤として含有している有機水銀の一種)を懸念する気持ちもわかりますが、大丈夫です。
一方で、タミフルに代表されるインフルエンザ治療薬にもまた、それなりに問題はあります。
(1)有効性が疑問
(2)副作用が心配
ありゃ、ワクチンと同じですね。でも、インフルエンザ治療薬には、ワクチンとは異なる側面があります。
それは、(1)や(2)を懸念するどころか、むしろ患者自ら処方を希望する方が多いのです。
インフルエンザの可能性が少しでもあればタミフルを飲みたい、予防のためにでも飲みたい、というわけです。
医学的に考えれば、ワクチンの副作用よりもタミフルの副作用の方がはるかに問題なのに、です。
日本人は、予防薬の副作用には敏感でも、治療薬の副作用はあまり気にしないという、オカシな人種です。
子宮頸がんは、予防するよりも早期発見して手術する方を選ぶのです。早期発見できればいいですけどね。

この記事を書いた人

医療法人ひまわり会 つるはらクリニック 院長

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