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フェノール値

ウイスキー、とくにモルトウイスキーの香りは実に個性的で、奥深いものがあります。今日はそのお話。
大麦の発芽→乾燥→糖化→発酵→蒸溜→樽貯蔵、というすべての製造過程が、ウイスキーの香りに影響します。
なかでもとくに、スコッチのシングルモルトの「クセ」を決定付けているのが、麦芽の乾燥過程でしょう。
大麦の発芽を適度な状態で止めるために、伝統的に「ピート(泥炭)」を焚いて燻煙して乾燥させます。
このときに、ピートの煙の香りが麦芽に染みつき、「ピート香(ピーティー・フレーバー)」となるわけです。
化学的にはその香り成分は、フェノール、クレゾール、グアヤコールなどの、フェノール類です。
これらの物質の割合が、ピートの産地や元の植物によって異なり、シングルモルトに個性を与えます。
概してこの香りはスモーキー(煙臭い)と表現でき、その強さは「フェノール値」で数値化されています。
さて講釈はここまで。次は実習です。今夜は、とくにピート香の強い「アイラモルト」を飲み比べてみました。
ラフロイグ 10年」(フェノール値 50ppm前後)
私の基準ボトル。生まれて初めて飲んだアイラは、これでした。当時はそのニオイにぶったまげました。
「カリラ 12年」(35ppm)
少々「コンブ」臭いけど、口に入れると実に旨い。ピート香はそれほどきつくない。
「ラガヴーリン 16年」(35ppm)
洗練された香りと味わい。バランスがいい。上品。ラフロイグより好きになりつつある一品。
「ボウモア テンペスト スモールバッチ リリースIV 10年」(20ppm?)
ボウモアからは、少し珍しいエントリーで。香りはピカイチだけど、味が尖ってる感じ。辛いのか?
「アードベック TEN」(60ppm)
ガツンと来るピート香。所有するアイラモルトの中では最強、でした、昨日までは・・・
「オクトモア スコティッシュバーレイ 07.2」(208ppm)
本日入荷。噂には聞いてた桁違いのフェノール値・・・ところが、飲んでみると実に旨い。これいい。
なお、どのシングルモルトも、ほんの少しずつの試飲ですので。私を大酒飲みだと思わないでください。
お近くにおいでの節は、いつでもわが家で試飲していただけますので、興味のある方はどうぞ。(車運転不可)

この記事を書いた人

医療法人ひまわり会 つるはらクリニック 院長

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