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転居と定期予防接種

熊本市以外にお住まいの方が、熊本市にある当院で、定期予防接種を受けることがしばしばあります。
県内の多くの市町村は、「予防接種広域化」という制度によって、越境して接種することが可能なのです。
他県の方の場合には、接種費用をいったん自費負担とし、あとで「償還払い」される仕組みがあります。
最近、県外の某自治体Aに在住のお子さんが、熊本にしばらく滞在するため、当院で予防接種受けました。
窓口でいったん支払った接種費用は、あとで自治体Aから全額還付されることになります。「償還払い」です。
さて、その方が熊本滞在中に、自治体Aから自治体Bに住民票を移されました。
保護者の方にしてみれば、どこに住んでいようと、赤ちゃんの予防接種は無料だと思うものです。
ところが、自治体Bでは「償還払い」を認めていないので、お子さんの接種費用は自費になってしまいました。
この方は二人のお子さんの2回分の接種で、十数万円の自己負担になりそうです。予防接種代って高いのです。
あんまりだろうと思い、熊本の保健所に尋ねましたが、残念ながら救済できません、とのこと。
日本に生まれた赤ちゃんが、どうして日本の法律で定められた予防接種を無料で受けられないのでしょう。
どの市町村で受けても同じじゃないですか。人は移動するのです。どこに滞在していても、同じ日本ですよ。
赤ちゃんの定期予防接種では、自治体の垣根を払い、できれば国が直接責任をもって行うべきです。

この記事を書いた人

医療法人ひまわり会 つるはらクリニック 院長

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