首都圏で、風疹の患者数が急に増えています。いまの状況は、5年前の大流行の時の前兆に似ているそうです。
風疹で怖いのは、免疫のない妊婦が感染することによる、先天性風疹症候群(CRS)の発生です。
妊娠後の血液検査で風疹の免疫が無いことが判明しても、妊婦さんは生ワクチンを接種することができません。
夫やその他の同居者が、あわててワクチンを接種することになります。
しかし妊婦さんが外出すれば感染の危険があるわけで、妊娠20週ごろまではずっと心配が続きます。
「風疹患者に接しないように」と言われても、症状の軽い患者ならそこらのスーパーにいるかもしれません。
症状が出ない「不顕性感染」という状態の方もいます。症状がなくても周囲への感染力はあるから困ります。
どっちみち、発症する1週間ぐらい前から感染力があるので、どうにも避けようがありません。
だからこそ、妊娠前に、風疹抗体価の検査や、必要ならワクチンの接種をしておかなければならないのです。
今後妊娠する可能性のある方。悪いことは言いません。自信が無ければ、検査か接種を受けてください。
無料検査を受けるには一定の条件があるので、保健所等に問い合わせるか、医療機関で相談してみてください。
風疹とはまた別ですが、今年の春には、沖縄や愛知、福岡などで麻疹の発生(局地的流行)がありました。
当時、麻疹を予防する目的で多くの方がワクチンを接種しました。
麻疹単独のワクチンはほとんど流通していないので、接種したのは麻疹/風疹混合(MR)ワクチンです。
MRワクチンによって、麻疹だけでなく風疹の免疫も獲得できるという副産物も、実は期待していました。
ところが、麻疹流行から数カ月を経たこのタイミングで風疹が流行するとは、どういうことなんでしょう。
今後さらに、MRワクチンの接種の啓蒙活動が必要なのかもしれません。
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