MENU

鼻炎も貼り薬

「咳止めのシールもください」という要望をよく耳にすることは、以前も書きました。
気管支拡張薬「ホクナリンテープ」のことですね。ジェネリックなら「ツロブテロールテープ」です。
内服薬ではなく、皮膚に貼って、皮膚から吸収された成分が気管支に作用する「経皮吸収型製剤」です。
胸の中央に貼ってる方が多いですが、湿布とは異なり、皮膚から直接気管支に作用するわけじゃありません。
いったん血液中に吸収されて、心臓を経由した後に全身に送られ、その一部が気管支に作用するわけです。
なので気管支も拡張させますが、手がしびれたり動悸がしたりと、全身のあちこちで副作用が起こり得ます。
成分の「ツロブテロール」は、気管支平滑筋のアドレナリン受容体を刺激することで、気管支を拡張させます。
北陸製薬が開発したアドレナリン受容体刺激薬なので、「ホクナリン」と命名されました。
貼るだけで効くので、薬の内服が苦手なお子さんには、ホントに重宝しますね。
どうせなら、子ども用の薬全部、貼り薬で作って欲しいと、いつも思います。
風邪薬や抗生剤がテープ剤だったら、どれだけ楽になることか。
実際には、薬物の分子量とか脂溶性とかの兼ね合いで、何でもかんでもテープにはできないようですけどね。
経皮吸収型の全身作用薬としては、狭心症治療薬(冠動脈拡張剤)が昔からあります。
あとは禁煙補助薬のニコチンパッチとか、ホルモン剤や鎮痛用の麻薬製剤もあります。
アレルギー性鼻炎治療薬としては、世界初の貼り薬「アレサガテープ」が最近発売されました。
1日1回、胸か腹か背中か上腕に貼るだけ。いまのところ子ども(15歳未満)に使えないのが惜しい。
作ったのは、佐賀に本社のある久光製薬です。貼り薬には強い会社ですね。
名称の由来を久光は公式には「特になし」としてますが、「アレルギー+佐賀+テープ」に決まってるでしょ。

この記事を書いた人

医療法人ひまわり会 つるはらクリニック 院長

コメント

コメントする

目次