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夢をすぐ忘れる仕組み

いま見た夢をすぐ忘れる仕組みを解明したと、名古屋大学の研究者が発表しました。とても興味深い研究です。
夢を覚えているということはREM睡眠から目覚めたことを意味すると、先日当ブログで書いたばかり。
でもたしかに、今の今まで生々しく覚えていた夢の内容を、その数秒後には思い出せないことがよくあります。
だから夢日記は、枕元に用意しておいたノートに、覚醒直後直ちに書かなければならないのです。
それほどまでに、夢が記憶として定着しにくく急速に忘れてしまうのには、何か理由があるはず。
と思っていたら、その通りだったんですね。脳内に、夢を強制的に忘れさせる仕組みがあるようです。
視床下部の「メラニン凝集ホルモン産生神経(MCH神経)」が、REM睡眠中に記憶を消去しているそうです。
ならば、MCH神経を選択的に抑制するか、MCH神経の伝達物質をブロックすれば、夢は消えないわけですか。
いやそうではなく、MCH神経を活性化するとREM睡眠の時間が増加すると、名大の研究者は言っています。
つまりMCH神経は、人間に夢を見させておいて、しかもそれを消すという不思議な働きをしているわけです。
それならば、起床時には消えることになっている夢を、なぜわざわざいったん見るのでしょう。
しかも、夢の記憶は完全には消えておらず、わずかに覚えている状態で目覚めるというのも、意味ありげです。
もしもMCH神経作動薬の開発でも始まったら、臨床治験のボランティアには真っ先に手を挙げたいですね。

この記事を書いた人

医療法人ひまわり会 つるはらクリニック 院長

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