新型コロナウイルス感染に対しては、世界中の研究機関や製薬会社が、ワクチンの開発を進めています。
私たちが普通に接種できるようになるのは、数か月後か数年後か。いずれにせよ待ち遠しいですね。
ではそれまでは、指をくわえて待っているだけかというと、違います。別のワクチンを接種する手があります。
およそ100年ほど前、インフルエンザが世界中で流行して数億人が感染し、数千万人の死者を出しました。
いわゆる「スペイン風邪」です。その命名の由来は、最近テレビでもよく解説されているので割愛します。
そのときの死者の多くは、肺炎球菌の「二次感染」による死亡だったことが知られています。
新型コロナにそのまま当てはまるわけではありませんが、二次感染に注意すべきであることは同じです。
少なくとも中国での死者の一定数には、二次性細菌性肺炎が関与していることが指摘されています。
そしてこのような場合、原因菌の大半は「肺炎球菌」であることも、経験上わかっています。
であるならば、今のうちに高齢者用肺炎球菌ワクチンを接種しておくことは、医学的に正しい考え方でしょう。
この肺炎球菌ワクチンは通常、高齢者や免疫が低下している状態の方に、接種が推奨されています。
しかし、コロナに感染すること自体が免疫の低下状態とみれば、肺炎球菌感染の予防は誰にでも有意義なはず。
肺炎球菌ワクチンの定期接種は、5年間の経過措置の接種率が低すぎたので、二巡目の接種が行われています。
この経過措置を利用するなら、今年度65歳以上の5の倍数の年齢になる未接種の方は、今がチャンスです。
コロナに罹る前に、ダッシュで肺炎球菌ワクチンを接種しておきましょう。いつでもご予約ください。
定期接種対象でなくても、2歳以上なら誰でも、高齢者用肺炎球菌ワクチンを任意接種することができます。
接種の効果は5年続くといわれ、また、5年以内の再接種は副作用が強く出るので原則としてできません。
そういえば私は今年度還暦を迎えます。今年任意接種して、5年後に定期接種という作戦もアリか。
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