クルーズ船内で事務業務を行っていた厚労省と内閣官房の職員が、新型コロナウイルスに感染しました。
クリーンであるはずの事務作業場所がクリーンじゃなかったことが、これで実証されてしまったたわけです。
おりしも厚労省は今日、クルーズ船内の感染制御についての文書を発表したばかりでした。
ソフトな文体で書かれていますが、その実態は岩田教授の「告発動画」への反論です。その要旨は以下の通り。
・船内の感染管理について、感染制御支援チームの医師が見回りや指導等を連日実施してきた
・乗客へは、繰り返しアナウンスで指導し、スマホを配布して動画を配信し啓発を行った
・乗員へは、業務中のマスク・手袋の着用等の衛生や、食事を離れて摂るなどを徹底してきた
・医療従事者へは、乗船前に専門医等による講習を受けさせた
それぞれの文末に「はずだから、問題ない。」と付けるべきかもしれません。つまり全部、建前です。
建前ばかりを並べてみたのはよいけれど、実際にはまともに守られていなかったということです。
ところで、国立感染症研究所が昨日公表した「暫定的な結論」が、なかなか面白い。いくつか挙げると、
・クルーズ船の性質上、全ての乗員乗客を個別に隔離することは不可能であった
・客室数には限りがあり、乗員はクルーズ船の機能やサービスを維持するため任務を継続する必要があった
・船の運航を維持するために、検疫期間中乗員は乗客ほど完全に隔離はされていなかった
さすがに感染研は科学者。厚労省が示した建前が現場では守られてなかったことを、すでに白状しています。
この調子では残念ながら、下船して帰宅した人たちの中から、感染者が次々に現れそうです。
諸外国は、日本が行った船内隔離を信用してないので、下船・帰国後の乗客らを、さらに2週間隔離します。
日本はしかし、下船後の隔離をしません。船内隔離だけで十分であるという建前があるからです。
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