医療機関のカード決済導入

手数料を安くするのでクレジットカード決済を導入しませんかと、最近あちこちから「お誘い」があります。

じつは開院当初、窓口での支払いにカードを使えるようにしようと考えたことがあります。
でもすぐに諦めました。3%ほどの手数料が、あまりにも大きいと感じたからです。

保険診療による収入は公定価格です。カード決済を導入すれば、手数料の分だけ単純に利益が減ります。
値上げも上乗せもできない大切な収入が、カード会社等にピンハネされるイメージが、私にはありました。

とはいえ今はもう、多くの病院がカード決済を導入しており、診療所でも導入しているところが目立ちます。
しかし考えてみてください。報道されているように、いま病院の6割、診療所の4割が赤字経営なのです。
仮に黒字であっても、利益率は1%や2%ぐらいの「カツカツ」の状況のところも多いのです。
こんどの診療報酬改定で、少なくとも診療所は、赤字のところが増えるでしょう。そのような改定なのです。
カード決済手数料は、わずかばかりの黒字幅を減らすか、赤字幅を拡大させることになります。

もちろん私が患者の立場なら、「カードの使えない病院なんて(芦田伸介)」という気持ちになりますけどね。
カード決済導入のメリットのひとつは、患者の利便性による集患ですが、それにしてもデメリットが大きい。
料金の上乗せができる自由診療分ならまだしも、保険診療へのカード決済導入はリスキーだと思います。

いま国は、診療所がぎりぎり経営できるぐらいの診療報酬に設定して、ある程度淘汰させようとしています。
早めに医療機関を減らしておき、人口減少に備えようということかもしれません。既定路線なのでしょう。
そんな具合ですから、診療所で新たにカード決済導入なんて無理筋です。

(図は、AirPAYのサイトより)

©リクルート

この記事を書いた人

医療法人ひまわり会 つるはらクリニック 院長

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