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「接種間隔」をどんどん縮めてきたけども

米国FDAが、新型コロナワクチンの接種を「原則年1回」にする方向で検討中だと報じられました。
いや、まあそうなるだろうとは思ってましたよ、長期的には。でも過渡期はどうしますかね。
予防接種「用語」に則れば、最初の2回の接種を「初回接種」、3回目以降の接種を「追加接種」と言います。
ワクチン接種によって獲得した免疫が落ち始める頃合いに、「ブースター効果」を狙うのが追加接種です。
当初(2021年11月)は、3回目接種までの間隔は、米国にならって「原則8カ月間隔」と決められました。
ただし、「クラスターの発生などの場合には自治体の判断で6か月以上の間隔」での接種も可能とされました。
さらにその翌月、「医療従事者等は6カ月、一般の高齢者は7カ月」と修正する方針が決まりました。
不足していたワクチンの供給量をにらんだ上での、対象を限定した前倒しです。
昨年2月、岸田首相が突然、「1日100万回接種する」と表明。接種間隔は「全対象者で6カ月」となりました。
待ち望まれていたこととは言え、急にぶち上げられたのでは、接種の実務を担う自治体がついていけませんよ。
5月に4回目接種も始まりました。対象は「3回目から5カ月以上経過した60歳以上または基礎疾患のある方」。
10月には「オミクロン株」対応ワクチンによる追加接種が始まりました。12歳以上全員が対象です。
さらに接種間隔も「3カ月以上」に短縮されることになりました。欧米での規定にならったものだといいます。
このように、たびたび接種間隔を前倒ししてきたのはもちろん、その方が有益だと考えられたからです。
なのでここにきて接種方針を「原則1年間隔」とするからには、その有効性についての十分な説明が必要です。
さらに過渡期はどうするのでしょう。前回は3カ月間隔で接種した、という方がかなりいらっしゃいます。
まずは、10〜12月に接種を受けた方の次の接種時期について、国は目安を早めに示してほしいですね。

この記事を書いた人

医療法人ひまわり会 つるはらクリニック 院長

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