衆院予算委員会で、国立大学医学部教授の窮状が明らかにされたので、今日はそれに関する話を。
先月は国立大学病院長会議が赤字の実態を訴え、今回は外科の教授がその薄給とバイト生活を吐露しました。
かつて私も大学時代には、夜中も休日も働き、かつバイトにも行く生活でしたが、全部合計しても薄給でした。
入学試験で休日出勤した時には手当が出ましたが、深夜や休日に緊急手術をしても1円も出ませんでした。
なぜなら大学は教育機関なので、医師への報酬はあくまで教育に対して支払われる建前だったからです。
もちろん大学の医師たちは、給料に関係なく最先端の医療と高度な研究に注力し、研鑽を積んでいるはずです。
一方で教育は、診療や研究を邪魔する余計な手間であり、講義の準備はそれらの合間に行っていました。
「診療の合間に教育」など、文科省官僚に言わせれば本末転倒かもしれませんが、実体はそうなのです。
さらに言うなら、教育や診療以上に、多くの医師たちがいちばん力を入れているのは、実は研究です。
大学の医師には、研究のために臨床をしているような面があり、大学病院は最高レベルの研究機関なのです。
ところがその大半が赤字で潰れそう。しかも働いている医師たちは薄給。システムのどこかが間違ってます。
診療報酬も、給与体系も、科学研究費も、すべてを見直さなければなりません。
自民・維新の連立合意文書の中で、社会保障政策においては、
「大学病院機能の強化(教育、研究及び臨床を行う医療従事者として適切な給与体系の構築等)」とあります。
とりあえず、大学病院改革はしてください。で、それ以外の病院や、さらに診療所の扱いはどうなることやら。
(写真は、自民・維新連立合意文書)

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