「骨太方針2025」

「肉を切らせて骨を断つ」
日本人は、こういう考え方が昔から好きなのでしょうね。末節にとらわれず本質を見極める、みたいな。
何かを犠牲にしてでも、真に大事な物事を完遂する。そこに美学があるのでしょう。

「骨太改革」もその発想なのでしょうか。肉は切り捨ててでも、骨を太く成長させる。肉は国民、骨は国。
小泉内閣の頃からか、もっと前からか、有無を言わせず施策を断行するとき、「骨太」が大義名分でした。

「経済財政運営と改革の基本方針(骨太方針2025)」が閣議決定されています。
財務省は、「病院への重点的な支援のため、利益率の高い診療所の報酬の適正化が不可欠」だとしています。
つまり、病院という骨を助けるために、診療所という肉をそぎ落とそうとしているわけです。

残念ながら医療界は、いまや「票田」としては重要ではなさそうで、与党からは軽視され続けています。
医者は儲かっているというおとぎ話を、お役人はさまざまなデータをこねくり回して立証してきます。
医療機関の数を減らすのが彼らの目的なので、医療機関が経営難を訴えれば願ったり叶ったりなのです。

最近、このような話題ばかり書いていますが、それほどまでに医療界は危機的な状況だということです。

(写真は、昨日の財政制度等審議会 財政制度分科会の様子)

この記事を書いた人

医療法人ひまわり会 つるはらクリニック 院長

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