外傷・熱傷で当院を受診される方へ

ケガをしたので診て欲しい、という問い合わせの電話が時々あります。

とくに日曜祝日にレジャー等で受傷した方が、慌てて当番医などを探して当院にたどり着いた様子です。
聞けば縫合を要するような傷だったりします。当院では縫合ができませんがと応じると、ガッカリされます。
整形外科の当番医か救急病院の受診をオススメすると、整形外科ですか?みたいな反応があります。

軽い外傷は整形外科ではなく内科の守備範囲だと思っている方が、けっこういらっしゃいます。

確かに当院でも、開院当初の数年間は、軽い裂創ぐらいは縫合していました。
縫合糸や手術器械や滅菌手袋のほか、麻酔薬や滅菌敷布や無影灯は今も備えています。ですがもう止めました。

いったん手術(縫合)を止めると、備品の滅菌や消耗品も期限切れになるし、何よりも私の腕が劣化します。
小児の心臓手術で使っていた拡大眼鏡も、いまや院長室の棚の片隅で眠っています。視力も低下しました。

もう私には、上手く縫合する自信はないし、そんな自信の無い旧外科医に縫われるのもイヤでしょう?
それにいまどき、下手に縫って傷の治りが悪かったりしたら、何かと悶着も起きそうです。餅は餅屋です。

裂創などの外傷ではなく熱傷の場合には、程度が軽ければ当院で処置や処方等を行う場合もあります。
しかし、熱傷の範囲が広い場合や水疱が大きい場合は、最初から皮膚科か救急病院の受診をオススメします。

外傷も熱傷も、できれば初期治療を請け負いたいところですが、それが患者さんに最善とは限らないのです。

(写真は、勤務医時代に使っていた、手術用の2.5倍の拡大眼鏡)

この記事を書いた人

医療法人ひまわり会 つるはらクリニック 院長

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