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特例接種

夏を前にして、日本脳炎ワクチンの予防接種を受ける方が急増しています。
このワクチンは、過去のある時期、「積極的勧奨接種」が差し控えられていました。
ちょうどいまの、子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)と同じような扱いです。
差し控えが行われていた期間は、平成17年5月30日から平成22年3月31日までです(←これ重要です)。
そのいきさつは、以前のブログを参照して下さい(以下を読む前に、先に読んでいただくと助かります)。
差し控えによって接種を受ける機会を逸した人に対しては、後に救済措置が行われることになりました。
これが「特例接種」です。本来の対象年齢以外であっても、定期接種の扱いが受けられるのです。
このような場合、差し控えが始まった時点で、定期接種の対象年齢であった者全員を救済すべきです。
本来このワクチンの定期接種対象は、第1期が0歳6カ月以上7歳半未満、第2期が9歳以上13歳未満です。
ところが、「特例対象者」の範囲は当初、政令によって下記(1)のように定められました。
(1)平成7年6月1日〜平成19年4月1日までの間に生まれた者
平成7年6月1日生まれとは、差し控えが始まった平成17年5月30日において「ギリギリ9歳」だった人です。
(5月31日生まれは、民法の解釈により5月30日においては満10歳なので、対象外です)
つまり、差し控え時期に「満9歳以下であった者」だけを救済しよう、というのが厚労省の考え方なのです。
10歳以上の者が差し控えで接種機会を逸しても、そりゃ9歳のときに接種していなかったアンタが悪い、というわけ。
厚労省の了見なんて、こんなものです。
今年の4月1日になって、特例対象者の範囲が下記(2)のように、ほんの少しだけ広がりました。
(2)平成7年4月2日〜平成19年4月1日までの間に生まれた者
これは、(1)の範囲があまりに中途半端なので、学年の区切りに合わせただけです。
5月30日の通達以前から、すでに接種を差し控えるムードがあった、という理由もあるようです。
まあいずれにしても、なんともチマチマした話。
こどもたちを日本脳炎から守ろうというのなら、対象をもっと思い切って拡大したらどうなんでしょう。
子宮頸がん予防ワクチンの勧奨接種が、やがて再開されたとき、どのような救済措置がとられるのか。
ケチな救済になりそうな気がします。
(補足)わかりにくい内容だったので、投稿後に少し修正を加えました。が、いまだにわかりにくいです。

この記事を書いた人

医療法人ひまわり会 つるはらクリニック 院長

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