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水痘流行の予防政策

10月から水痘ワクチンが定期接種化されます。1歳以上3歳未満のお子さんは、無料で接種を受けられます。
また今年度限りの「特例措置」として、3歳以上5歳未満のお子さんも定期接種の対象です。
十分な免疫を獲得するためには、水痘ワクチンを「3カ月以上の間隔で2回」接種する必要があります。
なので定期接種も2回接種のはずですが、特例措置では接種は1回だけ。他にも細かい例外規定があります。
(1)すでに水痘に罹ったことのある人
水痘の診断が確実であれば、強い免疫が付いているので接種は不要。定期接種の対象外です。
(2)すでに水痘ワクチンを、これまでに2回ほど任意接種したことがある人
免疫は獲得できているとみなされ、定期接種の対象外です。
(3)すでに水痘ワクチンを、これまでに1回だけ任意接種したことがある人
定期接種としては、あと1回だけ、通算2回目に相当する接種のみを行うことになります。
ここまでなら、まあいいでしょう。納得できます。ところが、お役所の杓子定規なのはここから。
(4)すでに水痘ワクチンを、これまでに1回だけ任意接種したことがある、3歳以上5歳未満の人
あと1回定期接種を受けられるかと思いきや、残念。特例接種の対象は、ワクチン未接種の人だけなのです。
(5)3歳未満で1回目の定期接種をしたが、3カ月待っている間に3歳の誕生日を迎えた人
これも残念。3歳になると特例接種の場合と同様に、1回接種をしたことのある人は対象外となります。
そんなケチケチせずに、接種を希望する子どもは全員無料にしたらいいのに、と思いますよね、普通。
厚労省はしかし、3歳未満の定期接種を徹底するだけで、長期的には水痘流行が抑えられると考えています。
コストパフォーマンスを考慮すると、3歳以上の子どもの水痘予防まで徹底する必要はないというわけです。

この記事を書いた人

医療法人ひまわり会 つるはらクリニック 院長

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