インフルエンザ。熊本ではまだ流行していませんが、いまのうちに書いておくことがいくつかあります。
それは「タミフル」などのインフルエンザ治療薬による、こどもの異常行動についての注意点です。
異常行動の多くは、幻覚に起因するものであり、当院を受診する患者さんにも、ときどき起きています。
見えないモノが見えると言い始めたり、うわごとを言ったり、急に起き上がったりもします。
この異常行動は、タミフルの影響がいちばん懸念されてはいますが、それは濡れ衣だと、私は思っています。
前にも書いたように、インフルエンザによる異常行動は、タミフルを内服しなくても起きているからです。
現に、別のインフルエンザ治療薬、リレンザやイナビルでも、使用後の異常行動をよく聞きます。
インフルエンザウイルス感染後の、病状の勢いがいちばん強いときに、異常行動が起きやすいと考えられます。
たまたま、タミフルの内服後に異常行動が起きたとしても、それは前後関係でしかないのです。
前後関係しかないのに、因果関係があると疑われるのは、ちょうどワクチンの副反応問題と同様です。
タミフルを処方する医師は、添付文書の冒頭に記載された、次の「警告」を遵守しなければなりません。
「本剤による治療が開始された後は(中略)少なくとも2日間、保護者等は小児・未成年者が一人にならないよう配慮することについて患者・家族に対し説明を行うこと」
そりゃ説明はしますが、「タミフル飲ませたら最低2日間見張れ」というのも、いかにも形式的でイヤですね。
目次
コメント