帰宅して玄関のドアを開けた私を、今晩出迎えてくれたのはサンマの香りでした。サンマが旬です。
夕食には、皮が少し焦げたぐらいの、アツアツのサンマを、できれば2匹ほどいただきたいものです。
私は醤油はかけません。何もかけず、そのまま食べるのがいちばん美味い。
専用の細長い皿に、骨格標本を残すかのごとくに、綺麗に食べ上げるのが流儀でしょう。
漱石の「猫」には「三馬」という当て字が登場します。「秋刀魚」が考案されたのは、明治後期とのこと。
このように複数の漢字からなる「熟字」を訓読みしたものは、「熟字訓」と呼ばれます。
「秋=サ、刀=ン、魚=マ」ではなく、「秋刀魚」の3文字の塊で「さんま」なのです。
当て字と言えば当て字ですが、音読みの「三馬」よりも、訓読みの「秋刀魚」の方が、味があります。
いやいや、そんな話を書きたいのではなく、問題はサンマの焼き方です。
IHクッキングヒーターには、いろいろ不利な点がありますが、サンマもフライパンで焼く羽目になります。
オール電化って、調理のバリエーションを減らし、その結果、味覚にも妥協を強いるものなのです。
それではいけません。せっかくBBQ用品を完備しているのなら、サンマは七輪で炭火焼きでしょう。
そこで予習。炭火は着火してから少し置き、灰被りの状態になってから、遠火の強火で焼けと。ふむふむ。
網で焼くとくっつきやすいので、串焼きにしろと。なるほど。早速、魚用の金串をネットで購入しました。
物品の準備だけは、いつも完璧です。決行は3日後。(つづく)
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