MENU

無診察処方は御法度

「薬だけください」という方がいます。時間が無いなどの理由で、処方箋だけ受け取りたいようです。
最大限に配慮してあげたい場合もありますが、そのまま応じると、違法行為になってしまいます。
医師法第20条に、「医師は、自ら診察しないで (略) 処方箋を交付 (略) してはならない」とあるからです。
無診察で「薬だけ出しときます」と言うのは、御法度なのです。ヘタしたら、手が後ろに回るのです。
ただし、病状の経過をよく聞いた上での処方であれば、聴診はしなくても「無診察」ではないかもしれません。
慢性疾患で落ち着いている方には、来院の2回に1回程度は、ごく簡単な問診のみで済ませることはあります。
あるいは、病状が安定している方に限り、電話やご家族からの病状聴取を元に、薬を処方することもあります。
しかし、問診も情報も無い方や、まして病状が不安定な方は、処方の前に必ず診察しなければなりません。
ところが、「薬だけもらえないんですか」と、少々キレ気味の方も、ときどきいらっしゃいます。
「診察はいらんから、薬を出してくれ」ぐらいの勢いの方もいます。
「申し訳ないですがうちは薬局じゃないんです。医者なんです」とまで言ったことも、何回かあります。
おかげで私は、診察費をとるためにあえて診察している、がめつい医者だと思われているフシがあります。
でも違うのです。ちゃんと責任を持って処方したいだけなのです。そこんとこ、ご了承ください。

この記事を書いた人

医療法人ひまわり会 つるはらクリニック 院長

コメント

コメントする

目次