同年代の第一線の医師が集まり、医療を取り巻く諸問題を語り合う懇親会が、昨日と今日、開催されました。
今年の会場は、福岡の「ヒルトン福岡シーホーク」でした。
久しぶりに行ってみると、あのトロピカルでゴチャゴチャしたジャングルが消え失せ、スッキリしていました。
ちょうど晴天に恵まれ、ホテルの「舳先」部分のレストランから海を見渡す景色は、なかなか良かった。
討論テーマは多岐にわたり、ここにすべてを書き尽くせませんが、一部をご紹介します。
(1)「善きサマリア人の法」問題
航空機内で急病人が出た際に、「お客様の中に、お医者様はいらっしゃいませんか」とアナウンスされます。
これに応じた医師の行為は、たとえ結果が悪くても責任は問われない。それが善きサマリア人の法です。
米国などでは認められていることですが、日本では明確な規定が無いので、下手をすると罪に問われます。
今日の懇親会の参加メンバーに、幸か不幸かそのような目に遭遇し、機内で医療行為を行った者がいました。
幸い、事なきを得たそうですが、日本では今なお、結果が悪ければ訴えられるケースが、時々あります。
法整備上の問題だけではなく、ボランティア活動に対する日本人の考え方の特殊性があると思います。
(2)「敷地内禁煙」問題
総合病院でこれを実現するのは、形式的には可能でも、実際には困難。隠れタバコも出てきます。
今回の討論で、タバコとは関係ない疾患で入院している喫煙者の強制禁煙問題について、初めて意識しました。
一般男性の喫煙率は、2016年で29.7%とのことなので、現時点ではまだ喫煙ルームは必要でしょう。
(3)「海外で心臓移植」問題
渡航手術費用を募金で集め、子どもの命を救ったという「美談」に、日本人は感動します。
しかし「移植が必要な患者の命は自国で救う努力をするべき」、というのが国際学会でのルールです。
このルールに違反して例外を認めてもらうための割り込み手数料が、「渡航手術費用」の大半だそうです。
(4)「心臓外科手術中の人工心肺トラブル」問題
割愛します。
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