「働き方改革」を主導し、ブラック企業に目を光らせるべき厚労省が、いちばんブラックだという笑えない話。
その厚労省の若手チームによる「緊急提言」が、話題になっています。
中央省庁の中でも、厚労省はそのトップクラスの忙しさだということは、以前からよく知られています。
よくいう「強制労働省」なんて揶揄の仕方以外に、今回の提言では「拘牢省」という言葉を目にしました。
その提言内容をまとめると次の4つのようですが、これは厚労省に限らず普遍的な問題です。
(1)人員不足(業務量が多い)
(2)生産性が悪い(ムダが多い)
(3)不公平な評価(モチベーションが下がる)
(4)劣悪な職場環境
勤務医の長時間労働の問題を私は何度も書いてきましたが、そんなこと厚労省は百も承知なのです。
しかし、年間1,860時間の残業を許容する程度の改革しかできないのは、自分自身が超ブラックだからです。
それでは彼らはどのような改革を提言しているのか。その「具体的提言内容」を見て、少々驚きました。
生産性の向上、人事制度の改善、オフィス環境の改善については、実に細かく具体的に書かれています。
しかし、正当な残業代が支払われるべきだとは書かれていますが、残業したくないという文言がないのです。
結局彼らは、やりがいがあって、合理的で、正当に評価されるのであれば、長時間の残業もいとわないのです。
その考え方、理解できなくはない。しかし、その理屈を勤務医や一般国民に適用しないでいただきたい。
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