コロナ禍の渦中、今季のインフルエンザワクチンが不足せぬよう、接種の優先順位が提案されています。
インフルとコロナの区別が困難でもあり、インフルエンザワクチンの需要が高まる可能性があるからです。
厚労省の審議会(予防接種基本方針部会)で示された、優先的な接種対象者および接種を呼びかける時期は、
(1)65歳以上の高齢者(等)に対しては、10月前半から接種
(2)医療従事者、基礎疾患を有する方、妊婦、生後6カ月〜小学校2年生に対しては、10月後半から接種
この書きぶりだと、小学3年以上は11月以降に接種せよという風に読めますが、そんなバカな話はありません。
インフルワクチンの接種回数は、13歳未満は2回、13歳以上は原則1回、65歳以上は1回、という規定です。
1回目と2回目の接種間隔は、できれば4週間程度あけたほうが効果的だとされています。
なので12歳以下の子どもは、1回目を10月に、2回目の接種を11月にするよう、私は推奨してきました。
ところが今回、小学3年以上の接種開始を遅くするのなら、子どもたちの免疫獲得は確実に遅くなります。
前述の(2)は、日本感染症学会の提言に基づくものだといいますが、それは提言の趣旨とは異なります。
提言では、インフルでは年少児対策が重要だとしながらも、小児全体への予防接種を推奨しているからです。
インフルエンザの流行を少しでも阻止したいなら、小中学校での感染拡大を防がなければなりません。
高齢者はともかくとして、小児の優先対象を小学2年で区切るような中途半端なルールはやめていただきたい。
ワクチンの優先接種順位や供給量において、厚労省の机上の空論はしばしば、現場を混乱させるばかりです。
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