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「同時接種」はOKなのに、「同日接種」はダメなのか?

同時に複数のワクチンを接種する「同時接種」によって、何か特別な副反応が起きることはありません。
しかしつい最近まで、同時接種を嫌うのは被接種者(の保護者)の方だけでなく、そんな先生方もいました。
万一、接種後に副反応が起きた場合に、どのワクチンが原因かわからなくなるというのが、その理由のひとつ。
でもそれを言うなら、混合ワクチン(MRとか4種混合とか)だって同じこと。理由になりません。
とくに乳児に早く免疫を獲得させるためには、効率の良い同時接種が必要で、いまでは当たり前になりました。
今年10月からは、異なるワクチンどうしの接種間隔の規定が、原則として撤廃されます。
現行制度では、不活化ワクチンの接種後は1週間、生ワクチン後は4週間ほど、他のワクチンが接種できません。
しかし新しい規則では、注射生ワクチンどうしでなければ、接種間隔にはいっさいおかまいなく接種できます。
たとえば、今日、水痘ワクチンを接種して、明日、日本脳炎ワクチンを接種することも可能です。
接種間隔の制限撤廃で接種計画の自由度が格段に上がるので、これもまた速やかな免疫獲得のために有益です。
欧米ではワクチンの接種間隔に制限がないのに、日本ではずっと、接種間隔が厳しく制限されてきました。
ワクチンの副反応を確認するための期間が必要だ、というのがその理由。副反応が気になってしかたないのか。
病気を早めに予防することよりも副反応を減らすことの方を重要視する、いかにも日本流の考え方です。
さて、同じ日に別の医療機関等で複数のワクチンを接種する「同日接種」については、いまだにグレーです。
副反応が起きた時の責任の所在が曖昧になる、という理由もあるでしょう。しかし考えてみてください。
次の日に別の医療機関でワクチンを接種するのがOKになるのに、同日がダメな根拠なんてあるのでしょうか。

この記事を書いた人

医療法人ひまわり会 つるはらクリニック 院長

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