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ファイザーとモデルナの併用を認めると言うけれど

日本で使っている新型コロナワクチンは、ファイザー製とモデルナ製です。
個別接種や集団接種の多くで使われているのがファイザーで、大規模集団接種や職域接種ではモデルナです。
このうちファイザーのワクチンの供給量が、来月から半減することになっています。
そのため、もしもワクチンが品薄になって入手困難となれば、当院では接種ができなくなるかもしれません。
「1会場1ワクチン」の原則があるので、ファイザーが無いならモデルナを使うということはできません。
1回目と2回目で異なるワクチンを接種できないし、2つのワクチンが混在するのは間違いの元だからです。
しかし、今回ついに集団接種会場では、ファイザーからモデルナへの変更が認められることになりました。
さらに河野担当相は、ワクチン切替の際は例外的に、1会場で両ワクチンの併用を認めるとも述べました。
1回目をファイザーで接種した人の2回目が終わるまで、と考えたら、その切替期間は3週間に及びます。
柔軟な対応だとは思いますが、危険をはらんだ措置だとも言えます。また新たなトラブルの元ができました。
なぜなら、ファイザーとモデルナとでは、その取り扱い方にもずいぶん違いがあるからです。
・保管温度:ファイザーは-75℃、モデルナは-20℃
・製剤調整:ファイザーは希釈が必要、モデルナは希釈不可(そのまま使用)
・注射用量:ファイザーは0.3ml、モデルナは0.5ml
・接種間隔:ファイザーは3週間、モデルナは4週間
これまでにファイザー単独でも、生食を注射したり希釈せずに注射したりするようなミスが多数起きています。
冷凍庫の電源が切れたり、温度管理を間違うような事例もたびたび報道されました。
同じ人が同じ日に2回の接種を受けるという驚くようなケースも、何度か聞きました。
そんな集団接種会場で、希釈の有無や1回接種量が異なる2種類のワクチンを同時に扱うとはチャレンジです。
1回目にファイザーを接種した人に、2回目はモデルナを打ってしまった、なんて事例がいつか出てきそう。
モデルナを希釈して接種したとか、0.3mlしか接種しなかったとか、そんな報道がもう、目に浮かびます。
会場内を区分して、人員もファイザーチームとモデルナチームに分けて・・・考えただけでも大変そうですね。

この記事を書いた人

医療法人ひまわり会 つるはらクリニック 院長

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