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すでに「第9波」なのかどうかは問題ではありません

「5類感染症になっても、新型コロナウイルスが変わるわけでも、流行が終わるわけでもない」
そのように言われる一方で、社会の方は確実に変わり、人々の危機意識も全体的に希薄になっています。
いまひとつピンとこない「定点あたり報告数」はしかし、5/8の「5類化」以降、全国的に増える一方です。
たとえば熊本県の毎週の報告数は、2.06→2.30→2.41→3.54→5.43→6.38→8.75→9.58という推移です。
全国で熊本よりも数値が大きいのは、沖縄48.39、鹿児島13.48、千葉9.89、宮崎9.66の4県だけです。
人口と定点数の比率が必ずしも同じではないので単純な比較はできませんが、熊本の流行ぶりはわかります。
各県の報告数の推移を見ると、宮崎はほぼ熊本と同じ動きで、鹿児島は2週間ほど先行した増え方に見えます。
さらに沖縄は、その鹿児島よりも4週程度先を突き進んでいて、いま医療崩壊に瀕しています。
今後流れが変わる要素がないので、熊本も6週間後には沖縄のようになると考えた方が良いでしょう。
当院の今日の発熱外来は、朝のうちに夕方までの予約枠が埋まる勢いでした。体感的には、すでに第9波です。
全国各地の定点あたり報告数のグラフを見れば、第9波の坂を登り始めたことぐらい誰だって分かります。
ところが後藤担当相は、患者数が大きく伸びてないので現時点では第9波には当たらない、と強弁しています。
まあ、政治家が不都合な事実をできるだけ矮小化したがるのは、今に始まったことではありませんけど。
いま既に第9波かどうかの判定はどうでもいいので、政府のコロナ対策は先手を打って欲しいものです。

この記事を書いた人

医療法人ひまわり会 つるはらクリニック 院長

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