全国的に感染者数は明らかに減っていますが、それでも日曜日の発熱外来は相変わらず混み合います。
今日の午前中はおもに生活習慣病の方の診療にあてたので、検査は午後のみ、23人に行いました。
そのうち15人には、コロナ核酸検出検査(NEAR法)とインフルエンザの抗原検査を、同時に行いました。
同時検査というのはしかし、じつは保険者(医療費を支払う健保や国保など)からは嫌われるやり方です。
たしかに本来は、コロナかインフルの一方を検査して、それが陰性の場合に他方を検査すべきなのでしょう。
そのように、疑わしい順にひとつひとつ検査を進めていけば医療費のムダが無い、という考え方は正論です。
インフルエンザの抗原検査は、綿棒を所定の方法で処理すると、早ければその1分後には陽性反応が出ます。
なのでコロナと同時検査している場合には、NEAR法の準備段階でもう、インフル陽性が確定してしまいます。
そのような場合、コロナはたいてい陰性なのですが、15分後に陰性が確定するまで待たなければなりません。
この「消化試合」のようなコロナ検査が、医療費のムダではないかと保険者は当然考えるわけです。
もちろん医療機関にとっても時間のムダだし、検査キットという資源の無駄遣いでもあります。
しかし今日は、その消化試合で2件、コロナの陽性反応が出ました。つまりコロナとインフルの重複感染です。
すぐに結果の出るインフルだけを先行検査していたら、この2件のコロナ陽性は診断できなかったはずです。
このような重複感染にときどき出くわすので、私は発熱者には原則として同時検査を行っているのです。
もしもこれを医療費のムダだと査定してくる保険者があったら、実例を提示して反論する準備はできています。
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