新型コロナ感染者の届出方法に誤りがあったために、これまで「新規感染者数」が少なく把握されていた件。
いま、医療機関が新型コロナの新規感染を診断した際に届け出るのは、次の2つです。
「発生届」:高齢者など特定の条件を満たす感染者については、詳細な患者情報をHER-SYS入力する
「日次報告」:日々の感染者の数のみを、年代別に報告(HER-SYS入力)する
ところが一部の医療機関で、発生届を出した症例を日次報告から除外していたのが、今回の問題の原因でした。
じつは私も当初は、発生届を出したケースを日次報告するのは二重報告にならないのか、少し不安でした。
国は、発生届とは関係なく日次報告のデータのみを毎日集計して、「新規感染者数」として公表しています。
なので、発生届が出された症例分を除外すると、新規感染者数が過小報告されることになってしまいます。
発生届には高齢者の症例が多いため、高齢者に報告漏れが集中するという、皮肉な結果を招いてしまいました。
とは言え、現状どれほど正確に感染者数が把握できているのかは疑問です。
自己検査で陽性でも届け出ない人もいるし、そもそもコロナの疑いがあっても検査しない方も増えて来ました。
どっちみち5月からは日次報告自体が不要になると思うと、すでに正確な報告のモチベーションも下がります。
感染者数の届出は流行動向を捉えるために有用ですが、それは「定点観測」だって良いわけですから。
ただ、全国民の毎日の一喜一憂のタネでもあった「新規感染者数」が消えるのかと思うと、感慨深いですね。
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