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「3混」も「4混」も品切れで、「5混」だけが潤沢

「百日咳」が流行しているという報道が続きます。つまり、感染者数がどんどん増えているということです。

その予防接種については何度か書いてきましたが、どうにもこうにも、ワクチンが足りなくなってきました。

当院では、定期接種対象以外の、小中学生から成人(妊婦さんを含む)への接種を推進してきたところです。
使うのは「3種混合ワクチン(3混)」です。百日咳以外に、破傷風とジフテリアの成分が加わっています。
ところがこのワクチンが入手困難(現時点ではほぼ不可能)な状態になり、院内在庫限りとなりました。

一方で、かつて乳幼児が接種していた「4種混合ワクチン(4混)」も、完全に販売中止となりました。
いまは「ヒブ」を加えた「5混」になりましたが、乳児期に「4混」を接種したお子さんの追加接種が問題です。

もしもヒブワクチンの追加も未接種なら、追加接種の時に「5混(=4混+ヒブ)」を利用することができます。
しかし、もうヒブの追加接種が終わっている場合、ヒブの回数が過剰となるので「5混」は接種できません。

そこで「4混」の代用として「3混」と「ポリオ」の接種が推奨されているわけですが、その「3混」が無い。
つまり「詰み」です。
この百日咳の流行期に、1歳児に百日咳ワクチンの追加接種ができないというのは、大問題でしょう。

でも私、裏技をひらめいたんですね。それは、「5混」から「ヒブ」の成分を取り除いて「4混」にする方法。

「5混」のうちKMBが製造している「クイントバック」は、接種直前にヒブの成分を溶解して調整します。
ヒブを混入する前のワクチンは、じつは同社がかつて製造していた「4混」とまったく同じ製剤なのです。
なのでヒブを加えなければ、それはまだ「4混」です。そのまま打てば「4混」として使えるはず。私は天才か。

で、この画期的なアイデアを、今日、保健所に打診してみたところ、「認められません」だと。でしょうね。


(参考)

3種混合ワクチンジフテリア 破傷風 百日咳欠品中
4種混合ワクチンジフテリア 破傷風 百日咳 ポリオ販売中止
5種混合ワクチンジフテリア 破傷風 百日咳 ポリオ ヒブ潤沢

この記事を書いた人

医療法人ひまわり会 つるはらクリニック 院長

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