帯状疱疹ワクチンの定期接種の通知ハガキが届き始め、当院でもすでに何人か接種を行ってきたところです。
定期接種対象者には自治体からの助成が出るとはいえ、自己負担額がそこそこ高いので皆さんお悩み中です。
そして中には、次の時に打ちます、と言う方もいます。予想していた通りの「誤解」です。
大事な事なので、おさらいしておきますが、まず定期接種の対象は、本来は「年度年齢」が65歳の方だけです。
現在65歳の方(満年齢65歳)ではなく、今年度65歳になる(なった)方です。
ただし、66歳以上の方に接種機会を与えるために、5年間の「経過措置」が設けられています。
これは、66歳以上の方が今後最初に5の倍数の年度年齢になったとき、特例的に接種対象となる制度です。
5年の間に接種対象となる年度が必ず1度訪れますが、チャンスはその1度ッキリです。2巡目はないのです。
「今年度対象の方が5年後に再度対象となることはありません」と、熊本市の通知ハガキにも書いてあります。
ところがその上の最上段に、もっと大きな文字で、しかも囲みで、次のように書かれています。
「対象者 年度内に 65歳・70歳・75歳・80歳・85歳・90歳・95歳・100歳 になる方」
ハガキを受け取った方は、真っ先に、この大きな文字に目が行くことでしょう。
そして、次の時(=5年後)に打とう、と思ったりするわけです。その下の行の、小さな文字など読まずに。
対象年齢を、全部大きく記載するから誤解を招くのです。そんな情報は下の方に小さく書いとけばよろしい。
その意味では、ハガキの表の「生涯に1度限りの費用助成です」とあるのも誤解の元。
「1度だけ、5の倍数の年齢で打てばいいんでしょ」という解釈にもなるからです。
ハガキに記載すべき文言は、次のようにシンプルにしましょう。
「この通知を受け取ったあなたは、今年度の定期接種対象です。この機会は今回限り。次はありません」
「帯状疱疹ワクチン」助成はワンチャンス
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