当院で使っている体重計は3台。このうち2台は先日、定期検査を受けました。検査手数料は2台で3200円。
これは法律(「計量法」)で定められた「特定計量器定期検査」です。
体重計の「性能・精度が一定水準に維持されているかどうか」を、2年に1回検査するものです。
おかげで当院では、体重計の精度は完璧です。
しかし、体重の測り方はどうかというと、赤ちゃんの場合はともかく、成人ではかなりアバウトです。
着衣のまま測定し、500グラムとか1キロとかを、目分量で差し引きます。
これでは体重計の精度もへったくれもありません。
前述した定期検査は、「取引又は証明」用として使用されている計量器に、義務づけられています。
そして医療機関における体重測定は、「証明」に相当するそうです。
計量法で「証明」とは、「業務上他人に一定の事実が真実である旨を表明すること」と定義されています。
するとつまり私は、「診療上患者さんに、測定した体重が真実である旨を表明」しているわけです。
着衣の重さを目分量で差し引いた体重が、果たして「真実」と言えるのか。
アバウトな体重測定をしているのに、体重計に厳密な精度が必要なんでしょうか。
体重計の精度に見合った測定をせよ、というのであれば、体重は全裸で測らなければならなくなります。
このような測定方法の問題点は見て見ぬふりして、体重計の精度維持だけを義務づけるのがお役所です。
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