インフルエンザの予防接種はいまがピークですが、そろそろインフルエンザの流行期も迫って来ました。
そのインフルエンザ治療薬の最右翼タミフルの使用にあたっては、次のような制約があります。
「10歳以上の未成年の患者においては(中略)原則としてタミフルの使用を差し控えること」
タミフル内服後に異常行動を起こした事例が社会問題となって以来、この規制は今なお継続中です。
インフルエンザ罹患に伴う異常行動については、全国を網羅した詳細な調査が、毎年行われています。
最新の、2013/2014シーズンの報告内容も、これまでと同様の結論でした。
いちばん気になる結果だけ、ご紹介します。どの薬を飲んだ場合に、いちばん異常行動が多かったのか。
それは、タミフルやリレンザなどの抗インフルエンザ薬を抑えて、第1位はアセトアミノフェンでした。
アセトアミノフェン(商品名アンヒバ、カロナール)は、小児でいちばん安全に使えるはずの解熱剤です。
じゃあ、異常行動の原因はタミフルではなく解熱剤だったのか、と言えば、それも正しくありません。
現に、タミフルもアセトアミノフェンも使わなかった患者に、もっと多くの異常行動が見られています。
つまり、インフルエンザに伴う異常行動の原因がインフルエンザそのものであることは、もはや明白です。
であれば、タミフルのような原因療法を行うことは、解熱剤で対症療法を行うよりは、よほど有意義です。
それなのにいまだに、10歳代のタミフル使用が制限されているのは、日本特有の現象と言うほかありません。
いちど副作用が疑われると、科学的には疑いが晴れても、心情的には疑い続けるのが、日本人なのです。
いつもいつも言ってますけど、HPV(子宮頸がん予防)ワクチンが、まさにそれです。
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