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血液型検査

お子さんの血液型の検査を希望する親御さんが、ときどきいらっしゃいます。
幼稚園等から調べるように言われたので、というケースが多いです。
何でもとりあえず調べさせる幼稚園や保育園の考え方には、疑問を感じます。
インフルエンザやRSウイルス感染症など、園に言われたので調べて欲しい、という方が多いです。
どのような検査も、それが医学的に必要性があるときに調べるものです。
では血液型検査は、何の意味があるのでしょうか。親子鑑定ならDNAで行うべきです。
「大けがで輸血するとき必要だから」などという理由は、失礼ながら時代錯誤と言わざるを得ません。
病院等では、患者本人や家族が申告した血液型を信じて、その型の血液を準備することなどあり得ません。
母子手帳に記載してあっても、献血手帳があっても、それを鵜呑みにはしません。
輸血用の血液を準備するとき、いくら急いでいても、必ずその医療機関で次の2つの確認をします。
(1)血液型などの検査
(2)患者血液と、準備した血液製剤とを掛け合わせて、異常反応が出ないか調べる(交差適合試験)
このような厳密な検査を行うので、あらかじめ血液型がわかっていようといまいと、何もかわりません。
今でこそ、血液型検査は検査室で臨床検査技師が行いますが、私が研修医の頃は、自分で検査したものです。
自分が担当する患者が入院すると、その日のうちにすることは、問診・診察・血液型検査などでした。
検査用シャーレの上でABO式血液型検査を行い、その証拠として、凝集した血液を濾紙に吸い込ませます。
その濾紙をそのままカルテに貼り付ければ、何よりも確実な血液型判定の証拠になったのです。
古い母子手帳にも、そのような濾紙が貼ってあるはず。血液感染など心配しない、おおらかな時代でした。

この記事を書いた人

医療法人ひまわり会 つるはらクリニック 院長

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