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門前薬局は安い

「門前薬局は他の薬局よりも薬代が安い」 今朝のテレビ番組で、そのようなことを話していました。
「門前薬局」とは、医療機関のすぐ隣近所にあって、その医療機関の処方箋をおもに扱う薬局です。
薬が安い理由を番組では、「値引きしているから」と解説していましたが、とんでもない誤解、大間違いです。
保険調剤に、値引きなどあり得ません。門前薬局での料金を安く設定したのは、国です。
門前薬局が儲からないようにするために、国がその薬局の調剤報酬(調剤基本料)を減額しているのです。
その結果、患者が窓口で支払う薬代も、安くなるわけです。
特定の医療機関からの処方箋の割合が、70%あるいは90%以上あると、調剤基本料が下がる規定があります。
その詳細は、とても複雑なので割愛しますが、門前薬局に対する、一種のペナルティーのようなものです。
国の狙いは、複数の病院から処方された薬を、患者が1つの「かかりつけ薬局」で受け取るようにすること。
そのためのインセンティブとして、門前薬局以外の薬局が儲かるように、点数に差を付けているのです。
ところが、薬局が儲かるということは、その分、患者が余計な負担を強いられるということになります。
少しでも薬代を安くしたい患者から見れば、このような国のインセンティブは、明らかに逆効果です。
結果的に、国が推進する「かかりつけ薬局」よりも、「門前薬局」の方が安くて患者に優しい薬局なのです。

この記事を書いた人

医療法人ひまわり会 つるはらクリニック 院長

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