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インフルワクチン4価へ

インフルエンザワクチンは、長い間「3価」でしたが、次のシーズンから「4価」になります。
「何です価?」て感じでしょうか。4価というのは「4つの株のウイルスに有効」という意味です。
ここで言う「株」とは、同じ遺伝子のウイルス、のような意味で考えてください。
インフルエンザウイルスは抗原変異(=遺伝子の変化)を起こすので、流行する株が、コロコロ変わります。
なのでワクチンに使う株も、毎年選定しなおす必要があります。
このたび厚労省は、来シーズンの流行株を予測して、ワクチンに使うべき4つの株を決定しました。
これを受けて、いまワクチンメーカーは大慌てで、その株に合わせて製造を始めたところです。その株とは、
(1)A/カリフォルニア/7/2009(X-179A)(H1N1)pdm09
(2)A/スイス/9715293/2013(NIB-88)(H3N2)
(3)B/プーケット/3073/2013(山形系統)
(4)B/テキサス/2/2013(ビクトリア系統)
A型のうち(1)は、2009年に大流行した、豚インフルエンザの株。pdmはパンデミックの意味です。
また(2)は、いわゆるA香港型の株。昨年は抗原変異のために、ワクチンが効きにくかったようです。
なので早い時期から流行が始まったのは、記憶にも新しいところ。そのため今年は、スイス株に変更です。
B型は近年、山形系統とビクトリア系統の混合流行です。どちらが流行の主流かを予測するのは困難でした。
これを受けてWHOは、B型を2つとも入れ、A型2価、B型2価の、合計4価ワクチンを推奨しました。
欧米では2年前から4価ワクチンが導入されており、今シーズンからは日本でも導入されることになりました。
世界の流れに、わずか2年の遅れで日本が追随するのは、ワクチン行政ではかなり珍しいことです。

この記事を書いた人

医療法人ひまわり会 つるはらクリニック 院長

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