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恋のナンチャラ

「恋の、カビ・プロテクト運転を行います」
もう何年も前から、ときどき洗濯機の方から聞こえてくる、きっと聞き間違えている音声ガイダンスです。
「恋の、カビ・プロテクト運転」って、なんか「恋のマイアヒ」を思い出すような、楽しげな響きですよね。
以前「検索しない楽しみ」があると書いたように、こういう疑問は、解明するのがなんとなくもったいない。
でも先日、正しい音声内容がわかってしまいました。「恋の」ではなくて「ピコイオン」でした。な〜んだ。
東芝が、パナソニックの「ナノイー」に対抗して押し出している、二番煎じか三番煎じのアレですか。
英語の “pico” は、頭にアクセントがあって、「ピーコウ」とか「パイコウ」のように、発音します。
なので「ピ」の部分を聞き逃したりはしません。
ところが日本語の「ピコイオン」は、「カブトムシ」と同じような「中高型」のアクセント。
しかも語頭が「パ行」なので、よけい聞き取りにくく、アクセントのある「コイ」が際立つのでしょう。
そうえいば英語では、語頭の “p” の音を発音しない単語が、よくありますね。とくに医学用語に多い。
心理学 “psychology” は「サイコロジー」だし、肺炎 “pneumonia” は「ニューモニア」です。
しかしドイツ語では、心理学 “Psychologie” は「プシヒョロギー」。語頭の “P” も、律儀に発音するのです。
ついでに「ヒョロギー」のところで脱力しそうになりますが、私はその発音、わりと好きです。
馬力を表す単位「PS」の「P」は、ドイツ語で馬の意味の “Pferd” で、「プフェルト」のように発音します。
“Pf” で始まるドイツ語の単語はけっこう多く、「プフ」を正しく発音するのは、なかなか難しいです。
本当は「プフ」ではなく、「フ」を言う準備をして唇を閉じて「プ」と言う感じ、だとか。できんけど。

この記事を書いた人

医療法人ひまわり会 つるはらクリニック 院長

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